論理思考は必要か
来年から小学校でもプログラミング教育が始まります。
物事を論理的に考える「プログラミング的思考」を身につけるというのが必修化の目的ですね。
私が開いている教室では、正解を教えたり、正解のある問題を作って出したりはしません。
子ども達には自分の作りたいものを自分で考え、1から組み立てていくことを実践してもらっています。
これはメンターや講師にも徹底していて、正解を教えず”導き出す”手伝いをすることを重視してもらってます。
これにはいくつか理由があります。
好奇心を持つ
発想力を鍛える
自分で考え言葉にする
これから必要になるのは論理力よりもこういった力だと考えています。 論理的に考える力はこれらを実践する過程で身につきます。
好奇心を持つ
好奇心は原動力です。
勉強するときも、遊ぶときも好奇心をもって物事に取り組むことで集中力が発揮されますし、自分の興味のあることはどんどん吸収します。
小学校の1年生でローマ字を習っていなくても、検索ができるようになりたくてローマ字を覚えるのです。キーボードの操作も同じです。
自分のやりたいことのためなら力を発揮できるのです。
例題を出し例題をを解くような指導方法だと途端に興味を失います。
例題を解くというのは作業のようなものです。
自分の興味があるものを自分で作り上げる体験は、自信にもつながります。
発想力を鍛える
テーマだけ伝えて何か好きなものを自由に作ってもいいよというと途端に手が止まります。
小学生でも高学年になるほどこの傾向が強くなるような気がします。
指示を出されて動くことが多く、自由に好きなことをすることに慣れていないからではないでしょうか。
小学校ではこういうものを作りましょう、このロボットをゴールまで進めてという問題が出題されるようになると思います。
自由に好きなものを作らせることを学校の中でやるのは大変です。終わりが見えないし評価がしづらいからです。
後述しますがこれからの時代に必要になるのは新たな発想や発見をする力だと考えています。
自分の頭で考える
これが一番大事なことだと思いますが、自分の頭で考えるのは思った以上にしんどいことです。
私たちが「教えない教育」をしているのは、これを力を一番身につけて欲しいからです。
そんなの当たり前だと言われそうですが、意外と自分の頭で考えきれていなかったりします。
指示されたことをこなすだけ、誰かに教えてもらう、今では検索すればある程度の答えは見つかりますので、自分で考える機会が減っているのではないでしょうか。自分で考える訓練のために、どんなものを作りたいのか、どんなものを作ったのか、どこがわからないのかなど自分の頭で考えそれを言葉に出して伝えることを重視しています。
プログラミング的思考は必要か
これからの子どもたちに身につけて欲しい力として、私が教えている方法を話ましたが、本当はこれらは大人にこそ身につけてもらいたいと思っています。これからAI社会になって、多くの仕事が置き換わっていくと言われています。そのほとんどはルール化できるもの、論理的に動くものになるでしょう。
論理的に考えていくことは大切なことです。
しかし、論理的な答えを出すのはコンピューターの方が得意です。
コンピューターができることは人ではなくコンピューターにやらせるようになります。
子どもたちがプログラミングを習うのはそのようなAI時代に対応するためでもありますが、その時代は子どもたちが大人になる時よりも早くなるでしょう。
子どもたちが社会に出るよりも早くに、今はまだ見えていない様々な問題が出てきます。
来年は教育改革の年です。これを期に子どもと一緒に大人たちが率先して学ぶということが大事な時代です。
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